2005年5月26日(木)20:51

シラク大統領は国民にEU憲法支持を訴える

パリ(AFP)

シラク大統領はフランス国民に対し、日曜日の国民投票でEU憲法を否決しないよう劇的な言葉で訴えた。フランスが「私たちの大陸の統一を破壊する」危険を冒すか否かという責任を有権者は担っているのだ、と大統領は木曜日の晩、ラジオとテレビで呼び掛けた。最新の各種世論調査によれば、反対派は54パーセントから55パーセントまで優勢を固めた模様である。

日曜日には「皆さんの未来と子どもたちの未来」が決まるのだ。フランスがEU憲法を否決すれば、EUには「分裂と疑念と不安の時代」が訪れる。フランスと仏独協調が弱体化すれば、「超自由主義的な考え方」を支持する人々が勢いづく。そうなればEUは単なる自由貿易圏に後退する。欧州市民はフランスのEU憲法否決をEU否決と理解するだろう。否決されれば更なるプロジェクトは実現せず、自らの問題で手一杯のEUは世界とのつながりを絶たれる恐れがある、とシラク大統領は警鐘を鳴らした。

シラク大統領は「歴史に対する責任」を指摘し、人権の祖国フランスが基本権憲章の発効を妨げぬよう訴えた。あわせて大統領は国民に対し、国民投票をフランス政府に対する態度表明に利用せぬよう呼びかけた。左派右派の枠組みに収まらない、広い影響を及ぼす決定が問われているのである、と大統領は警告した。

大統領はまた、近々の内閣改造について新たな憶測の種をまいた。フランス国民はEU憲法の論議で「不安と期待」を表明した。私はこれに答えるつもりだ。政府の政策に「新たな刺激を与える」ことを考えている、と大統領は語った。政府内では3年間首相を務めたジャンピエール・ラファラン首相が退陣を余儀なくされるものと予想されている。後任にはドミニク・ドヴィルパン内相やミシェル・アリオマリー防衛相の名前が挙がっている。

Ipsos、CSA、 TNS-Sofre/Unilogの世論調査では、EU憲法反対は55パーセントから54パーセントと出ている。Ipsosの調査によれば、反対は前回5月20日の調査からさらに2ポイント増え、賛成は45パーセントに留まっているという。TNS-Sofre/Unilogの調査では46パーセントが賛成、54パーセントが反対、CSAの調査では賛成45パーセント、反対55パーセントとなっている。

原題:Dramatischer Appell Chiracs an Franzosen




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